- いず
- I
いず【伊豆】旧国名の一。 静岡県の伊豆半島と伊豆諸島を占める。 豆州。IIいず【何・何処】〔上代東国方言〕不定称の指示代名詞。 場所を表す。 どこ。III
「多由比潟(タユヒガタ)潮満ち渡る~ゆかも/万葉 3549」
いず【出づ】(1)内から外へ移動する。 でる。「都~・でて今日みかの原いづみ川/古今(羇旅)」
(2)開けた場所に行く。 でる。「浜に~・でて海原見れば/万葉 4360」
(3)所属していた家・団体などから去る。 離れる。 でる。「家をも~・で世をものがれたりせば/平家 1」
(4)人の前に姿を現す。「翁~・でて曰く, …/竹取」
(5)中の物が自然に移動して外に現れる。 でる。「足柄の刀比の河内に~・づる湯の/万葉 3368」
(6)境界をこえる。 でる。「この度, 生死の境を~・でなんと/宇治拾遺 1」
(7)前や外に突き出る。 でっぱる。「雄島が磯は, 地つづきて海に~・でたる島なり/奥の細道」
(8)登場する。 出現する。「兵衛佐殿, 流人でおはすれども…もし世に~・でてたづねらるる事もこそあれ/平家 12」「春の初めに水なん多く~・づる/枕草子 38」
(9)山陰・雲などにさえぎられていた太陽・月などが現れる。 でる。「遅く~・づる月にもあるかな足引きの山のあなたも惜しむべらなり/古今(雑上)」
(10)表面に現れる。 できる。「身に瘡(カサ)も一つ二つ~・でたり/伊勢 96」
(11)発生する。 起こる。 でる。「音もいと二なう~・づる琴ども/源氏(明石)」
(12)生まれる。 産出する。 でる。「この四家よりあまたのさまざまの国王, 大臣・公卿, 多く~・で給ひて/大鏡(道長)」
(13)由来する。 原因がある。「アルレゴリイと勧懲主眼の小説との差別(ケジメ)を知らぬに~・でたることにて/小説神髄(逍遥)」
(14)内面のものを表面化させる。「言(コト)に~・でて言はばゆゆしみ/万葉 4008」
〔自動詞はのちに下一段活用となり, 「い」が脱落して「でる」となった〕
Japanese explanatory dictionaries. 2013.